皆さん、市役所に行った際に職員の対応に納得がいかなかったことはありませんか?
今回は、市役所へ苦情や要求がある場合に、効果的な方法を9つ紹介していきます。
1.広聴部門に文書を送る
効果:
手間:
速さ:
市役所には大抵、広聴部門が存在します。
それは、広聴部門として独立している場合と、広報部署にくっついている場合があります。
広聴部門に文書で意見を提出すると、大抵は広聴部門の管理職と、担当部署の管理職の両方の目を通ります。
さらにそれに対する回答についても文書で作成し、両管理職の決裁を経た上で回答されるため、回答内容にミスがあるということもほとんどありません。
手間と効果のコスパだけで言えば、最も効率の良い手段かもしれません。
ただし、文書を作成したり、決裁を回したりする時間がかかるので、迅速な対応を求めている場合は、最初にとるべき手段ではないかもしれません。
2.担当部署に文書を送る
効果:
手間:
速さ:
先ほど、広聴部門に文書を送ると、広聴部門と担当部署の両方が目を通すので、効果が高いと書きましたが、実際に回答を作成したり対応を考えるのは担当部署の役割になります。
つまり、苦情や要求の対応は、担当部署が主体となって動きます。
そういう意味では、担当部署が真面目に対応する気がある場合は、広報部署を通す意味はあまりありません。
ただし、担当部署が苦情を握りつぶしたり無視したりする可能性を考えると、広聴部署で把握してもらっておくことが対策の1つになります。
なぜなら、無回答だった場合は、回答を最初に受け付けた広聴部門の責任にもなるので、広聴部門としては、担当部署がちゃんと対応をするかを監視することになります。
担当部署に直接回答を求めた場合、広報部門を通さない分、処理のスピードは速くなりますが、そもそも握りつぶされてしまうという可能性が高まるので若干注意が必要です。
3.広聴部門に電話をかける(窓口も同様)
効果:
手間:
速さ:
基本的に、苦情や要望が真剣であるならば、電話をかけるべきではありません。
なぜなら、基本的に電話に出るのは知識の乏しい下っ端の職員であり、こちらの話も十分に理解してもらえず、理解したとしても、曖昧だったり不正確な回答をする可能性が高いからです。
そして、その中でも、広聴部門に電話をするというのは最も悪手であると言えるでしょう。
担当部門でないため知識はほとんどなく、こちらの要求の意図すら理解できないことがほとんどです。
内容を理解せず、確認や反論もしてこないため、最も早く用件が済みますが、それは正しく伝わっていないことの裏返しです。
この後は担当部署に報告をするのですが、理解していないため誤った報告をしてしまう危険性があります。
それ以前に電話という、物が残らない手段で要求しても、単に意見を聞くだけで終わってしまい、結果的に握りつぶされてしまう可能性が高くなります(文書であれば、大抵は担当部署に回すというルールがあるのでそれはできません)。
広報部門に電話をした場合に、適切に処理してもらうためには、「広報部門の職員が要求の意図を正しく理解する」「広報部門の職員が要求を握りつぶさない」「担当部署が要求を握りつぶさない」の3つの関門を突破しなければなりません。
4.担当部署に電話をかける(窓口も同様)
効果:
手間:
速さ:
広聴部門の場合と違って、担当部署に電話をした場合は、話が正確に通じやすくなります。
基本的に各業務には専門の担当者が付いていて、電話に出るのもその担当者である確率が高めです。
ただし、他の業務で席を外していたり休暇を取っていたりすることもあり、その場合はあまり詳しくない他の職員が応答することがあります。
ただし、それでも主担当と同じ部署の職員であることが多いので、広聴部門よりも話は分かってもらえるでしょう。
ただし、主担当に全面的に判断を委任している課長や係長も存在するため、そういった場合は、要求を握りつぶされてしまうこともあります。
こちらの要求も相手の返答も口頭なのでテンポは速いですが、やはり正確性を期すならば、文書による方法には敵いません。
5.市長宛に文書を送る
効果:
手間:
速さ:
実質「2.担当部署に文書を送る」の下位互換です。
市長宛に文書を出しても、基本的に市長が読むことはありません。
処理の流れとしては、「市長宛の文書を秘書部門が読む」⇒「秘書部門から担当部署に文書が回送される」⇒「担当部署が処理をする。」といった感じです。
つまり、「2.担当部署に文書を送る」の前段に秘書部門を通すだけであって、単に処理のスピードが落ちるだけです。
これは電話や窓口で「市長を出せ!」と要求した場合も同様です。
秘書が市長に繋ぐことは100%ありません。
なんだかんだ理由を付けられ必ず断られます。
6.オンブズマンに相談する
効果:
手間:
速さ:
自治体によっては、行政を監視する「オンブズマン」を置いていることがあります。
オンブズマンは、行政活動を中立・公平に監視し、市民からのさまざまな苦情も受け付けています。
オンブズマンに相談した内容は、決められた手続きに従って処理され、担当部署のヒアリングなどを行い、最終的にはオンブズマンから自治体への勧告などが出されます。
自治体はオンブズマンからの勧告に従う必要はないものの、誠実に対応することが求められるため、単に広聴部門を通すよりも適正に処理が成される可能性が高いです。
ただし、オンブズマンは自治体の外部機関であり、担当部署との迅速な連携をとることが難しく、解決への道のりは遠いです。
また、オンブズマンへの相談は事前予約制となっていることが多く、先客が多い場合は、いつまで経っても相談することすらできません。
時間をかけても解決したいのであればおススメできる手段ですが、割と最終手段に近い位置づけです。
7.総務省の行政相談窓口に相談する
効果:
手間:
速さ:
各自治体には、総務省の行政相談窓口が設けられています。
大抵は市役所の中に設けられている「市民相談室」などが窓口となっています。
総務省から委嘱を受けた民間ボランティアが、行政に関する悩みなどに無料で応じます。
飽くまで相談を受けるだけ実質的な解決に結びつくことはほとんどありませんが、市の職員には直接話しづらいことでも気軽に話すことができます。
第三者に話を聞いてほしいというときに活用すると良いでしょう。
8.議員に頼む
効果:
手間:
速さ:
市役所は議員に対して弱いです。
なぜなら議員は市民の代表者であり、議員が意見を述べることは、その票数分(何百、何千)の市民が同時に押し寄せて意見を述べることと同義だからです。
そんな議員に、自分の代わりに要求を市役所に伝えてもらうことは非常に効果的です。
できるならば議長、それが難しければ与党または最大多数を占める会派の議員に伝えるのが効果的です。
伝える方法としては、各自治体のホームページに議員の連絡先が載っていたり、ホームページやTwitterアカウントを持っていたりするので、そこから連絡すれば大丈夫です。
9.議会に陳情を出す
効果:
手間:
速さ:
市議会へ直接要望を提出できる制度が「陳情」です。
陳情に似たものに「請願」と呼ばれるものもあるのですが、ほぼ陳情の完全下位互換なので、ないものと思って問題ありません。
陳情を出す方法は自治体によって微妙な差異はありますが、基本的には、議員に対して決められた様式で陳情書を提出することで、議員を通して会議の議題として持ち込まれます。
陳情を出すと、公式な市議会の会議の中で慎重に審議され、採択or不採択が決定します。
採択された場合は、ほぼ確定で要求が実現し、不採択になった場合でも、公式な会議の議題に挙げられたという強烈な事実が残ります。
効果としては、「7.議員に頼む」の上位互換で、数ある手段の中でも最上級です。
ただし、かかる時間は「6.オンブズマンに相談する」と同程度です。
市議会の会議は定期的(四半期ごと)にしか開催されず、その会議を待たなければ進展しないので、トータルで半年くらいかかる場合もあります。
まとめ
市役所への苦情・要求の方法はさまざまな方法がありますが、基本的には手軽な手段ほど効果が低めです。
また、高い効果が期待できるものほど、処理速度が遅いといった特徴があります。
軽めの要望であれば電話、しっかり対応してほしいときは文書、それでも解決しない時は議員を使うなど、案件の重要性によって使い分けることが大事です。
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